大判例

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岐阜家庭裁判所大垣支部 事件番号不詳 判決

本籍 岐阜県摂斐郡養基村字脛永七七九番地

住居 同県同郡池田町六の井一、四二五番地ノ二

芸妓置屋多茂都寮 野田みつへ 当四十九年(明治四十年三月二十一日生)

本籍並住居 岐阜県武儀郡洞戸村大字管谷一〇九二番地

農業 松田保 当二十七年(昭和三年十月十一日生)

主文

被告人野田みつへを罰金二万円に被告人松田保を懲役五月に処する。

被告人野田みつへが右罰金を完納することができないときは金二百円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。

訴訟費用は被告人両名の負担とする。

事実

被告人野田みつへは昭和二十九年十月頃から摂斐郡池田町六の井の自宅において芸妓を寄宿させて酒席に待する業務を目的とする芸妓置屋多茂都寮を経営し芸妓の就業に関し直接指示命令をなすと共に芸妓の行動に就いて管理監督を為している者被告人松田保は右野田みつへと共同して芸妓置屋多茂都寮を経営し芸妓の雇入れ並に営業に関する手続等は自ら履行している者であるが被告人両名は共謀の上

第一  吉○○子は満十七歳の年少者で酒席に待する業務に就労せしめることは出来ないのに別表第一の通り昭和三十年六月十九日より同年八月二十八日迄料理屋浪花亭外十七軒において年少者の福祉に有害なる酒席に待する業務に就労させ

第二  岩○あ○子は満十七歳の年少者で酒席に待する業務に就労せしめることは出来ないのに別表第二の通り昭和三十年六月二十二日より同年八月二十八日迄料理屋増田屋外十七軒において年少者の福祉に有害なる酒席に待する業務に就労させ

たものである。

証拠

一、被告人両名の当公廷における各供述

一、被告人両名の労働基準監督官に対する各供述調書

一、被告人両名の検察官に対する各供述調書

一、吉○○子、岩○あ○子の労働基準監督官に対する各供述調書

一、吉○○子、岩○あ○子の検察官に対する各供述調書

一、証第一号(芸妓時間表)の存在

適用法令

被告人野田みつへ

労働基準法第百十九条、第六十三条第二項、女子年少者労働基準規則第八条第四十四号、刑法第四十五条前段、第四十八条第二項、刑法第十八条、刑事訴訟法第八十一第第一項

被告人松田 保

労働基準法第百十九条、第六十三条第二項、女子年少者労働基準規則第八条第四十四号、刑法第四十五条前段第

四十七条本文、第十条、刑事訴訟法第百八十一条第一項

被告人松田保に対する刑の量定につき附言するに同被告人は吉○○子、岩○あ○子其の他の婦女子を同女等に対し自己の親族の経営する木管工場の工員として雇入れるが如く申向けて宮城県下より被告人野田みつへ肩書地まで連行し同女等もしくは其の監護者の意に反して芸妓となることを承諾させ爾来同被告人の経営する多茂都寮の芸妓として本件検挙に至るまで毎夜の如く稼働させたに拘わらずこの間全然清算も為さず前借ありとして金銭上の給与をしなかつた点等を考えれば被告人松田に対しては懲役刑を科するを相当とし主文掲記の通り量刑した。

(裁判官 畔柳桑太郎)

理由

別表第一、第二<省略>

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